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【素材について思うこと】
こんにちは。Laboの肥田です。

私事ですが、建物の設計以外にも“料理”を大変好んでおります。
食べることもそうですが、作ることが好きです。
もともとは私の設計の師(勝手に思い込んでおります・・・)に「設計をするなら御勝手に立ちなさい」と教えられたことがきっかけですが、素材を吟味し、最適な味付けを行うことで出来上がる最高の料理は、「なんだ!建築設計と同じじゃないか!」と思うこともしばしばです。

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ちなみに先日、旬を迎えた「淡路の完熟タマネギ」を出張途中にゲットしました。ラップに包んでレンジで10分。バターを乗せるだけで絶品料理の完成です。
それから、もうすぐ宮古島マンゴーの出荷も始まりますね。まずはそのまま食して、残りはジャムに・・・楽しみです。
食の話ばかりになってしまいましたが、この食材の旬を知り、食材そのものの味を知るといことは、建物に使われる素材の良し悪しを知るということと共通点があります。

便利でお手軽な新建材(合板フローリングやビニルクロス等です)も決して否定できるものではありませんが、無垢材や漆喰壁などの本物の質感は、大切にしていきたいと思っています。その上で現代の生活にうまくマッチングできる様に住まい手にご提案できれば・・・
そんなことを考えながら日々設計にいそしんでおります。
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幼児期に木をはじめとする自然素材に多く触れることは、その後の子供の安定した豊かな心の成長・思考に良い効果があるといわれています。先日モデルハウスの内覧会で、ご来場されたお子様が床に寝そべって「気持ちいい~」と言っていた場面に出くわし、幸せな気分に浸ることが出来ました。
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by labo_akashi | 2014-06-26 13:34 | 建築素材のこと
【西宮の名塩和紙】
こんにちは   Laboの高谷です。

みなさん、名塩和紙ってご存知ですか?

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約400年の歴史があるという、名塩和紙。今もその技術を伝える谷徳製紙所は、西宮市の北部、有馬温泉と宝塚歌劇団のある宝塚市のちょうど真ん中くらいのところの町、名塩の山あいにあります。ここで、六甲山に自生する雁皮(がんぴ)という木の皮に、名塩の土を混ぜて和紙を漉いています。雁皮は成育が遅く栽培が難しため、現在も自生しているものを採取しているとのこと。

こちらは、雁皮を剥いだもの。一番外側の黒い皮を除いて内側の白い部分を使います。
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また、土を混ぜて和紙を漉くことによって、燃えにくくて変色しない、虫がつかないと、いいことづくめの耐久性の高い和紙になります。白、青、黄、茶など混ぜる土の色によって違う色の和紙ができます。
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もともと名塩和紙は、主にふすま紙の下貼りとして用いられ、国宝の建物にも多く納められている由緒正しい和紙だったのです。「普通間似合紙(ふつうまにあいし)」と呼ばれ、ふすまの幅である半間サイズに、「間に合う」ように漉かれた大判の和紙のとこです。下地から出るアク止めや透け止め、酸化防止等の役割があり、丈夫で耐候性が高く、虫がつかないという性能は、特に襖絵などの上貼りの美術的価値のある画の下貼りに重宝されています。
また、名塩和紙は、表面がなめらかで、発色がよいとのことで、日本画や水墨画の画材用紙としても使われています。最近は、封筒やはがきも作られています。
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その他、変わったところでは女性のお化粧直しの「あぶらとり紙」として使われています。あぶらとり紙は、金箔を打ち延ばすときに挟む和紙でできています。幾万回も打ち伸ばすことで、和紙はより柔らかく、よりなめらかになり、お化粧前にお顔をひと拭きすると、脂がすっきりと吸いとられるのです。むかし、宮中や大奥の奥女中が愛用していたと伝えられる、加賀伝統の金箔原紙は、この名塩産の土入り和紙だったのです!
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こんな伝統のある名塩和紙を、西宮のモデルハウスの和室の壁に貼ってもらいました。一枚一枚、職人さんが刷毛でのりを塗って貼っていきます。和紙の外周はすこし濃い目ののり、中心部分はすこし薄い目ののりを使い分けて貼ることで、乾いた時にシワのない張り上がりになるとのこと。
手漉き和紙は、へりの部分が不揃いで味わいがあります。この素材感を活かすために、少しずつ重ねながら貼っています。
名塩和紙の渋い光沢と、なめらかな肌触りが心地よい、素材の良さがしみじみと感じられる落ち着いた空間となりました。
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名塩の地元の小学生は、自分たちの卒業証書を、自分で漉くそうです。とてもよい記念になるのでしょうね。
こうして永く大切に受け継がれてきた伝統を後世にも伝えていきたいです。

Laboでも、400年の歴史をひもといて、今の暮らしにうるおいを… と考えて、

7月27日(日)に、この名塩和紙を使って木版画パネルを作るワークショップを計画しました。

大人もお子様も楽しめて、出来上がった作品を、インテリアとして飾れるといいな~
パネル張りにすると立派に見えるかな~

と、詳細を練ってから、またご案内します。

取材にご協力いただいた、谷徳製紙所の3代目雅信さん、ありがとうございました!
『洪哉』という屋号で、新しい名塩和紙の使い方を発信してらっしゃいます。これからが楽しみですね。
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by labo_akashi | 2014-06-08 11:17